TORNADO オイルライター

雲が薄く覆う、何となくマッタリしたお日柄となりました。昨日の水分が残っているせいか、少し蒸し暑い。日が落ちると急に冷え込みます。満を持している、ちょい欠けのお月様がたゆたう雲を明るく照らします。TORNADO。メイドインオーストリア。1910年生まれ。セミオートタイプ。ゆうに紀寿を超えています。イムコ好きのente-Mにはたまらない一台です。このスタイルは本ネームとLÀQILONが有名かと思いますが、他にも同形が存在します。ノーネームのしっかりした別口を保有しています。これはまたの機会に。この個体は少々難がありました。リペア済みの現役です。火も着きます。着火感も申し分ありません。入手した時にフリントの片減りが著しく、調べてみるとフリントチューブのヤスリ側の継ぎ目が開き破損していました。真鍮板を継ぎ材にハンダ付けをして難を逃れます。オイルタンクはアウターとの一体型です。ちなみに、イムコはカートリッジタイプ。言うまでもありません。フリントスクリューは純正ではありません。多分。この頃のライターは年代でマイナーチェンジが頻繁にあります。それにしても、材質が大きくそぐいません。形状も馴染みません。ま、それだけ直しながら、繕いながら大事に使っていたんでしょうね。サムタブは細め。ウイックキャップが下にチョコンと座っています。胴部分はすっかりメッキが摺れて真鍮がむき出し。イムコの(いわゆる近世モノ)ブリキ感とは一線を画す存在感です。(もちろんイムコのオモチャ素材感は楽しいですよ。)常用したいけど、しません。おそらく次に補修が来るのはタブと収納バネをつなぐヒンジ。亀裂もしくは、さらに進行して折れます。LÀQILONの初代がそう。思わぬところにダメージが生じます。想定外の。ネジ留めならば分解が容易くできます。リベット留めです。もちろん外す術はあるんだけど、面倒。だから。たまにストレッチ程度にオイルを八分目に詰めて動かすに、とどめています。

トルネードの灯にて 一服。

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