(和)の古家具 懐かしき一服。

ちょくちょくとまではいかない、ちょく、ぐらいで通る道に、以前から気になるお店がありました。こんにちは〜こんにちは〜、と、にこやかなえびす顔の歌手が歌います。高度成長期のシンボル、EXPO’70に沸いていた頃に建てられたであろう一軒家。変哲もない年老いた住居ですが、玄関は店舗かな?ぐらいに改装され、控えめな看板があります。縁者から陶器屋さんと聞いていたのでスルーしていました。焼き物にあまり興味はありません。でも、この日(2日前の日曜日)は縁者が一度見たいと、要望するので立寄ることに。入ってすぐ右側に陶器が並んでいます。信楽を主に、工房、作家さんの作品だそうです。で、すぐに私が目を奪われたのは、焼き物ではなく、その陳列什器。只者ではありません。

見渡します。家屋内すべてが三丁目の夕日に照らされています。もう少し年長者も堂々と座についています。キッチンやリビングではありません。台所や居間や書斎で活躍していた顔ぶれが並びます。

右奥には、ちょっとこじんまりですが威風堂々、校長先生の机があります。ちょっと立派なちゃぶ台は用務員さんの自慢だったかも知れません。たまには先生も顔をのぞかせるのでしょう。知らない飲料メーカーのコップがもてなします。

保健室兼務の理科室もあります。社会の授業も待ち受けています。冬の体育はスキーだったようです。竹のストックが立てかけてありました。(画像にないのが残念です。撮影者の、ヘタクソです)

むろん教室もあります。年少者から年長者まで、一緒に学んだんでしょう。大・中・小と行儀よく並んでいます。小は少々ワンパク坊主のようです。小さな小学校です。この学習机はいつからここの住人になったのでしょうか。

 

当時には珍しい給食室もあったようです。うろうろうろ覚えぐらいで触ったような、氷式冷蔵庫です。時空を超えて21世紀の器が並びます。違和感がありません。恐るべし、和。

 

講堂兼体育館も小道をはさんであります。このお店ではありません。地域の公民館、集会所、寄り合い所です。お店の外観はありません。例のごとくです。撮り忘れました。相変わらずです。

 

京都府木津川市梅谷池ノ谷59 「よつば」さんです。ライトジャズと物静かなご主人が出迎えてくれます。愉しんだ一服です。いつもながら、煙管箱ケースから煙管を取り出し、夕日を浴びて静かに、一服です。今日は、煙管が似合います。校長先生の机、欲しかったな〜。どこに置くの?自分で買いなさい、の一言で、即撤退です。

22年前の朝早く、関西が揺れました。当時は隣町でした。難は逃れました。小さな縁者を抱きかかえました。知人、友人、知己は被災だけで済みました。でも、苦しみ悩みました。北も西も南も東も。日本は震えます。

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