メトロポリスとライター

「メトロポリス」という映画をご存知でしょうか?フリッツ・ラング監督 1927年に発表されたドイツ映画。無声映画にして、SF映画の金字塔とも賞される古典作品。2026年の仮想未来都市メトロポリスを舞台に、ヒューマノイドとなり蘇る美しい女性マリアを描いた儚くも狂気な叙情作。CGなんてまだまだ未来の時代に圧倒的な映像美とヒューマノイド マリアの完璧な魅惑。小学生の頃にジュール・ベルヌを読みあさっていた私が高校生の時に名画座で出会い、その衝撃は未だ身震いするほど。

このライターはその同時代にオーストリアで生まれたSNAPLITE。少し小さめのbijouとも呼ばれるレディースサイズです。ユーズドなのでメッキがはがれ、真鍮がいい具合に浮き出し、(写真写りは悪いのですが)美しい傷跡をまとっています。微妙なRラインはデジタルでは導き出されない、手描きっぽいノスタルジックな美しさが気に入っています。クラッシュレザーのジャケットを着せてみました。ちょっとご機嫌やさんの性格ですが、もちろん、現役です。少々噛み合わせが緩い部分を除いては、オーバーホールもクリーニングだけで済んだ歴戦のジャンヌダルクです。着火時はこんな感じ。アーチが飛び出してきて、メカニカルっぽいんだけど、なんだか人間臭い表情がよろしいかな、と。セミオートタイプなので、煙草にも火をまわしやすく、たまに引っ張り出してきて煙管の友にしています。

マリアが愛煙家だったら、似合っていたんじゃないかな、と夜更けに一服の思いつき。。。

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