ライター補足

「冬の京都 終い弘法 その2 独逸との出会い」で紹介しました、ライターの補足説明です。ライターは着火から消火まで、その手数により基本的に3分類されます。(ごく稀に異端児がありますので、基本形です)①着火から消火まで1アクションで終了するタイプ ②着火と消火の2アクションが必要なタイプ ③着火の準備・着火・消火の3アクションが必要なタイプ です。画像のライターはそれぞれに符合しています。

①のタイプです。着火スイッチを押し下げスライドさせると、ウイック(着火芯)キャップが開き着火。指を離すと自動的に閉まり消火します。多くのディスポライターがこのタイプです。オートマティックタイプと呼ばれることが多くあります。写真のライターはコリブリ社製のモノポールという名前。1950年を中心に活躍していたようです。このタイプでは造形美・機能性・耐久性ともに秀逸な最高峰と、主観で思っています。

②セミオートタイプと呼ばれています。着火スイッチを操作するとアームが跳ね上がると同時に着火します。消火時に跳ね上がったアームを閉じる作業を要する2アクションタイプです。火がそのままキープされるので、煙管煙草に火を回し付けるのに重宝します。写真のライターはドイツ・ロエンタ社製。1940年前後に多く生み出されています。リペアし、再生させたせいか最も愛着のあるライターです。すでに老年期に入っていますが、まだまだ現役バリバリ。頑なドイツそのもののデザインもお気に入りのひとつ。このライターは火の右側にある着火スイッチをひねりonにします。他にもボタン式や押し下げ式などさまざま操作方法のライターが存在します。メトロポリス編終い弘法 独逸との出会い編もこのタイプです。

③アームを上げウイックを露出し、ヤスリを回し着火し、アームを下げて消火する3アクションタイプ。写真はリフトアームタイプと呼ばれるもの。アームとキャップの違いはありますが、ジッポーもこのタイプに分類されます。機構的には①②に比べシンプルな構造となります。写真のライターはメヒコシルバーの刻印があるノーネーム。おそらく1930年頃の品と見定めています。

以上、ごく基本的な紹介です。この3分類に収まらないものやそれぞれに無数のバリエーションがあり、個体別には、なんでここまでするの!と驚くようなレトリック、ギミックが潜んでいるライターが多くあります。いちばんシンプルに見える③でさえ、ようやるわ、とため息がでるものも。また、折りをみて変わり種を紹介します。

ただ、機能的に火をつけるだけのものなのに。機械チックなブリキや真鍮に心惹かれる私は、希少種なのでしょうか。まぁ、煙管煙草を興じる時点でレッドリスト入りは確実なのでしょうが。。。ね。

 

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