フラクタル・ロマネスク

ようよう匂いが漂ってきました。草の青い臭みに混じった甘いアロマ。やっとぬるま湯になった風の便りです。鼻センサーが春を嗅ぎ取ります。歳時の節目香だけは、敏感に反応する鼻です。普段はとても鈍感なのに。今年は、とても遅い。大遅刻です。お彼岸のお花とお供えを買いに行きました。定番陳列棚の脇に、地産地消があります。どこそこ近所のだれそれ○×さんが丹誠込めて生産したお野菜が並びます。今や、珍しいコーナーでもありません。ネギや白菜やキャベツやホウレン草やらを押しのけて、目に飛び込んできました「ロマネスク(ボロッコリー)」((商品シール原文 ママ))。通常名はロマネスコ(ブロッコリー)である、と隣で買い物に忙しい縁者が教えてくれました。ブロッコリーぐらいは知っています。初めてのお目通しです。お名前もさることながら、その造形とお色があまりにも美しいので、見入っていると買ってくれました。二房で、120円なり。思いのほか財布にやさしい自然の精緻です。教科書のごとく、個は総なり総は個なりの見事な自己相似図です。人が生み出すゲージツなんて何でもかでも、自然が師匠です。下駄履きで出掛けるスーパーの片隅で、こんな佳作と出会い120円で鑑賞できて、さらに胃袋に収まるなんて、なんてなんての得した気分。ご先祖様々です。お味は、フツーのブロッコリーが優勢かな。二日続けて小難しいカタカナが並びましたがたまさかです。言葉にも、出会い頭があるようです。

いつもの喫煙コーナーが見当たりません。引っ越しかな。だったら良いのですが。。。隣接の田んぼ畦道にて、一服。

 

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